パイプの切断における、名称や呼び名など分かりづらい決まり事を渡辺さんに聞いてみよう。

　以下、渡辺談

芯々距離

通常パイプの配管図面は、パイプの中心線のみで描かれることが多いんだ。パイプは丸いから、3次元的に作図するのが難しいためともいわれているね。そのパイプの中心線の事をパイプ芯と呼び、その芯と芯の間の距離を芯々距離と呼んでいるんだよ。

交差角度となす角度

パイプ同士が接合する際に、その接合しているパイプを2次元的に正対して見た際に、交わりあう角度が交差角度というんだ。「なす角度」っていうのはその交わりあう角度を3次元的に見た際に2面間で生じる角度の事だよ。英語では、「Dihedral angle」っていう呼び方もするよね。これは、難しいかな。。

T/K/Yジョイント

この言葉は、パイプ同士が接合する際の形状をそのまま指しているんだ。例えば、Tジョイントは、パイプ同士が、Tの次に接合されることを意味するんだよ。KとYも同様だよ、接合するパイプの形を表しているよ。

鞍型切断

パイプ同士の接合時は、その接合面はまるで馬の鞍みたいな形状になるでしょ？その形状を意味するんだよ。その他、「姿切り」や「コースター切り」なんて呼び名で呼ばれることもあるんだ。

枝管、主管

パイプ構造物の見た目は、まるで樹のように見える気がしないかい？そのため、メインの幹は、主管。そしてメインの幹から出ている枝は枝管と呼ばれているんだ。主管を母管と言ったりもするよね。

ヒールとトゥ

英語では、ヒールは、かかと。トゥは、つま先って意味があることは知っているよね。パイプ業界では、先ほどの鞍型角度付きの切断面の先っぽの部分をトゥ、長手の短い部分をヒールと呼んでいる。

チーズ

配管を途中で分岐させるために使用される、T字の継手のことをチーズと表現するよ。市販のものは、決まった径、板厚、分岐角度にしか対応しないよね。そこで、パイプコースターの出番だ。自由なチーズを作るために、パイプコースターを導入する配管関係のお客様も多いと聞くよ。