パイプのマーキング手法の比較
パイプへのマーキング手法について、渡辺さんに聞いてみよう。Youtubeにて動画も公開中!
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渡辺さん
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丸秀くん
渡辺さん。渡辺さんがたまにプッシュしてくる「パイプコースター」について調べていたんですけど…
うんうん。今日はどんな質問かな?
オプションで搭載できる、「マーキング」って何ですか?なんのためにするのか、あとはマーキング手法がいろいろあるみたいなんですが…それぞれの違いがわからないです。
OK。順番に説明していこう。
以下、渡辺談
まず、マーキングというのは、パイプ含め鋼材に線や文字、記号をつけることだよ。
それって何のために?
製品名の印字とかね。こんなパイプを見たことはないかい?
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あ!確かにあります。じゃあ、線とか記号は?
線や〇などの記号は罫書(ケガキ)といって、切断後に部材同士を組み合わせたりするときの基準線になるよ。切断後の作業の効率化につながるんだ。
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なるほど!
マーキング手法は、いろいろあってね…直接部材を削る方法から見ていこうか。
・スクラッチマーキング 一般的な罫書はこれに当たるよ。
・ドットマーキング 細かい点を打つことで線、文字、記号を表すよ。
・プラズママーキング プラズマの出力を切断しない程度に落として削っていく。
・レーザーマーキング 同じくレーザーの出力を落として削るんだ。
これらは、永久的な印字が可能だよ。
消えないようにしたいときはいいですね!あれ、でも部材を削らないようにする方法はないんですか?
あるよ!
・パウダーマーキング・・・専用の粉を乗せて、焼き付けるよ。
・インクジェットマーキング・・・部材に直接印刷するイメージだね。
上の4つに比べると、耐久性は低くなるかな。
「パイプコースター」で使用が可能なパウダーマーキング、インクジェットマーキング、レーザーマーキングについてはもう少し詳しく説明しようか。
印刷可 | 印刷制度 | イニシャルコスト | ランニングコスト | |
パウダー | 線、記号 | 〇 | ◎ | ◎ |
インクジェット | 線、記号、文字 | ◎ | 〇 | △ |
レーザー | 線、記号、文字 | ◎ | △ | 〇 |
まず、パウダーマーキングだけど、これはK社やT社のガスを使用して専用の粉で焼き付ける方法だよ。そう簡単に取れたりはしないし、コストもかからない。文字は印刷できないけどね。
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専用の粉…って、なんの粉なんですか?
基本的には亜鉛の粉なんだけど…ステンレス鋼材には亜鉛の粉は使えないんだ。高温下で亜鉛とステンレスが接触してしまうと、亜鉛がステンレス内部に侵入して、脆化の原因になる。だから、もしステンレス鋼材にパウダーマーキングをしたい場合はガラスの粉を使用してね。
了解です!
次にインクジェットマーキング。これは、私たちが使うプリンターと一緒で、K社やH社が代表的。大きい文字を印刷したいときに便利だ。部材に合わせて色も選べるけど、当然インク代がかかるから、ランニングコストは最も高いかな。あとは、こすれたり消えたりしてしまうリスクがあるよ。
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最後にレーザーマーキングだね。K社のレーザーシステムが有名どころだよ。これは、さっきも言ったようにレーザーで部材をキズつけるから、永久的なマーキングが可能だ。キズの深さを調節することで色も表現できるよ。印字精度は極めて高いんだけど、機械導入にはかなりコストがかかるね。。。
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以上がそれぞれのメリット・デメリットだよ。何を優先するかによって選ぶ手法が変わるね。
うーん、ちなみに、渡辺さんだったらどれを選びますか?
そうだね…「パイプコースター」という機械では、1つしか選べないから慎重になるね。僕だったら、文字は必要ないから、安価なパウダーマーキング一択だね。
また一つ知識が増えました!有難うございました~